米ドル円の145円台に突入するとズドンッと落とされる現象について

今の米ドル円相場

今の米ドル円相場って、145円台に突入するとズドンッと落とされるのが続いているんですよね~。

これがあるからこそやりづらいし、レンジ相場であっても緊迫した状況が続いています。

で、思うんですけれど、この現象って一体なんなんでしょうかね🤔ということで、ちょっと色々とここらへんについて分析してみたいな~と思います。

145円台からズドンッと落とされるとき

基本的に、数時間に渡って145円以上の相場が継続すると落とされるイメージです。

  • 10/3 15時台~20時台
  • 10/7 3時台~10時台
  • 10/7 雇用統計発表後
  • 9/22 15:00~17:00台

該当するのはこのあたりで、145円は突破せず144円台に落ち着いているパターンが多いです。

雇用統計発表後は一瞬ではあったが145.3円に到達、その後即144円台にまで引き戻されたものの、三連休前で介入の可能性が薄いと判断されたこともあり、みるみるうちに上昇。一時は145.440をつけたが、その後下降して145.397でフィニッシュしました。

で、これって介入なの?

9/22の「数十年ぶりの145円突破からの140円台まで落下」は介入だと財務省から明言されていますが、それ以外に関しては介入だと明言されていません🤔

ただし、日本国政府としては

10/7発言

神田財務官は

「為替平衡操作のアミュニションで制約を感じたことはない」と述べた。「制約がないよういろいろ工夫を行っている」

為替平衡操作のアミュニションで制約感じたことはない=神田財務官 | ロイター

9/22 介入直前の発言

神田財務官は、為替介入はまだ行っていないとする一方、「ステルスでやる場合も正直ある」と述べた。「必要な時は必ずやることになる」とも強調した。「スタンバイの状況」とし、今すぐにも対応できる状態かの問いには「そうです」と答えた。

神田財務官、為替介入について「ステルスでやる場合もある」|会社四季報オンライン

というスタンスみたいで、牽制球or口先介入だとしてもいつでも介入する気はあるようで😩💭

さらに言うと、ステルス介入も辞さない考えのようです🤔

考えられる可能性1:ステルス介入

先程の政府要人の発言を鑑みると、ステルス介入の可能性も考えられなくはありません。2022年9月の為替介入規模は2兆8000億円と発表されていましたが、これを9/22の暴落だけではなく他にズドンと落とした日にも使用した可能性…。

考えられる可能性2:大口顧客売り

日本国政府の発表を素直に信じるなら、大口投資家による売り注文も考えられます。

9/22以外の落ち方は145円台が144円台になっただけであり、大きいものではないことから、数千億単位で動いたのであれば、可能性としては考えられるでしょう。

そういえば、10/7の雇用統計発表前は145.3円台にオーダーが溜まっていたものの、現在は145.5円台がボリュームゾーンになっていて、雇用統計発表で145.3円台売りが使い果たされたという可能性もあります。

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また、ズドンッと落ちているのが全て深夜帯以外の時間帯で、銀行内部の人が働いていてもおかしくないため、この説もあるでしょう。

本当に介入に効果はなかったのか

9/22の介入以前は、ドル円はずーっと上値を更新し続けている状況でしたが、9/22の介入以後は145円に持っていこうにも持っていけない相場になりました。

「元に戻った!」とか言われていますが、介入がなければ今頃さらに上値を更新していたので、一定の効果はあったかな~と思います。

介入だけで円安が解決される事例は少ない

また、単独介入で円安が解決される事例はほとんどありません。1980年代の介入の際も、ロシア情勢が原因で解消されましたし、10/5頃に一時143円台をマークした時も、アメリカの経済指標に関して悪い数字が出たことが要因として挙げられます。

今後、介入が行われる可能性に関して

政府要人の発言に関しては、このサイト

為替介入への距離測る投資家ガイド、通貨当局者の言葉遣いに注目 - Bloomberg

と照らし合わせながら見るのが楽なんですけれど。

岸田総理は10/7に

「最近みられたような急速で一方的な円安の進行は望ましくない」

岸田首相は為替介入を行った理由について「最近の為替市場で投機的な動きも背景に急速で一方的な動きが見られる」と指摘した上で、「為替相場は市場で決定されるのが原則だが、投機による過度な変動が繰り返されることは決して見逃すことができないという考えのもと実施した」

投機による過度な変動繰り返しは見逃せず=9月為替介入で岸田首相 | ロイター

と発言しており、前途の神田財務官(10/7)の発言と組み合わせると、「介入に対する警告は行っている。また、介入を大々的に行うだけではなくステルス介入も辞さない。」と読めます。(岸田総理自体発言がハッキリしない人ですが…)

また、外貨準備高自体は減りましたが、"外貨準備高預金"は横ばいなんですよねぇ。(9月末時点で136,112,000,000ドル、8月末時点で136,110,000,000ドル)そうなると、余力自体はまだあるといえます。

さらに、鈴木大臣が10/7に

鈴木俊一財務相は7日の閣議後会見で、外貨準備高が大幅に減少した理由として、債券金利の上昇やユーロの対ドル減価、為替介入による外貨売りなどを挙げた。減少の主因は為替介入かとの質問に対しては「介入に関する取引の内容にかかわることなので答えられない」と回答した。

外貨準備大幅減の要因、金利上昇や為替介入による外貨売り=鈴木財務相 | ロイター

と回答している以上、まだ介入する気はありそうです。

ちなみに、休日でも為替介入は行われます。

LIGHT FX|トレイダーズ証券 on Twitter: "【Dealer's Voice】 🇺🇸米雇用統計が好結果だったことを受けドル買いが進行📈 来週10日は🇯🇵東京休場となっていますが、為替介入が行われる際は日銀が金融機関に連絡し、連絡を受けた金融機関は出勤体制を整えるのが常になっている為、休日でも為替介入への警戒は必要です✍️ https://t.co/bH7hNElX2H" / Twitter

単独介入ではなかったものの、プラザ合意とかがこのパターンなので、休日だからといって油断は禁物そうです。

為替介入に対するアメリカの動向

ちなみに、アメリカは「為替操作国」認定をたまに行っていますが、今のところ日本は認定されていません。